情報の精査には時系列での確認も重要。
情報を精査する際には、
時系列での確認というのも重要ですねぇ。
2月8日の AFPBB News の以下の記事が、
2月9日にかけてツイート拡散されてきました。
新型ウイルス、排泄物からま感染示す兆候
下痢の患者ら見逃し? 論文
ただ、糞口感染の可能性に関しては、
中国国家衛生健康委員による2月2日の記者会見で、
中国疾病予防管理センターの研究員が
患者の糞便からウイルスが検出された事を発表し、
2月3日の新華社通信などでも報道されています。
この件に関し、以下の様な内容のツイートがありました。
武漢の病院が下水を調べたら生きたウイルスが発見され、
川下地域で生活用水として利用してる所が多いので、
感染の広がりの予測がつかないと病院が発表した。
その後、下流の温州市が武漢同様封鎖となった。
という主旨の内容でした。
が、私が知る限り病院が下水を調べたとか、
そんな発表をしたという報道は確認してません。
加えて温州市(浙江省)は、武漢市からの道路距離で
800kmも離れたところにある都市です。
また、武漢市の下流域ではありません。
2月2日に温州市(浙江省)封鎖の報道がありましたが、
この時点で浙江省はでは感染者661人と
湖北省に次いで多く、20,237人が隔離された状態でした。
温州市は人口900万人の都市という事ですが、
その内18万人は湖北省武漢市で生活しており、
武漢市が封鎖された1月23日〜27日までの5日間で、
48,800人が温州市に戻ったと温州市当局が発表しています。
武漢市が中国でも有数の工業都市なので、
温州市から出稼ぎに来てる人も多い。
そういう人の流れが感染拡大に関与しているのであって、
下水の流れが関係してるワケではありません。
この時点で患者の対応にてんてこ舞いしてる病院側に、
下水の調査なんてしてる余裕は無く、
するにしても保健省か衛生局か知りませんが、
衛生環境に関わる機関なり研究者なり、
そういう所が調査・発表する事でしょう。
それと“エアロゾル感染”の可能性が出た事で、
空気感染すると騒がれてますが、空気感染とは違います。
空気感染は、病原体が付着した飛沫核を鼻口腔や
目の粘膜から取り込んでしまう事で感染します。
飛沫感染は、病原体が付着した飛沫核が水分で覆われた状態の
飛沫を鼻口腔や目の粘膜から取り込んでしまう事で感染します。
また、飛沫が直接或いは物体を介し間接的に付着した手指で、
鼻口腔や目に触れるなどしても感染もしますが、
この場合は、接触感染という事になります。
咳やクシャミなどにより感染者の口から飛散する飛沫には、
大小色々な大きさがありますが、
比較的小さな飛沫が煙霧状、ミスト状になっている
状態の事をエアロゾルと言います。
なのでエアロゾル=微粒子ではありません。
空気中に飛沫がどの様な状態で飛散するか、
その“状態”を現している言葉です。
比較的大きな飛沫は1m程で落下しますが、
噴霧状に吐き出された小さな飛沫などは軽く、
浮遊時間もその分長くなるため
2〜3m程の距離まで飛ぶそうです。
ウイルスは細胞内でしか増殖しませんので、
飛沫状態で増える事はありませんが、
エアロゾルの状態は飛沫の密集状態である事や、
飛散する距離が長く着床する範囲も広くなり、
飛沫核に付着するウイルスの数も多い可能性があります。
結果、浮遊してる飛沫を吸引・付着したり、
或いは飛沫が付着した物体に触れる量も多くなる。
つまり“接触機会(回数・量)”が増えるという意味で、
感染リスクが幾分高くなるという事です。
今回の新型コロナウイルス2019-nCoVは、
タンパク質の膜に保護されたエンベロープウイルスで、
元々ウイルス自体が強くできている
ノンエンベロープウイルスであるノロウイルス等と異なり、
飛沫の水分が蒸発し飛沫核の状態になった場合、
インフルエンザウイルスと同様、
2〜3時間から8時間程度で感染力を失う
(不活化する)と考えられています。
ウイルスそのものが某か変化して感染力が増すだとか、
そういう事ではありません。
ですので、個人が出来る予防対策としては、
これまで同様、手指消毒(手洗い)・マスク・うがいが、
リスク低減に有効である事には変わりはありません。
尚、マスクについても前々の記事で書いた通り、
一般の人までがN95マスクを入手する必要はありません。
市販マスクでも相留守対策用に販売されている
サージカルマスク(BFE95%以上のマスク)と同等の
ウイルス対策用のマスクであれば、
感染リスクをある程度低減する事はできます。
※N95は米国規格であり、
欧州(EN)規格FFP2、日本検定規格DS2と同等。
そもそもN95マスクと言えど、
0.3μmの飛沫核の捕集効率が95%という意味であって、
決して100%では無いので。
どんなサイズの飛沫核、ウイルスも100%捕集出来る…
そんなマスクがもし仮にあったとして、
ウイルスの予防以前に酸欠・窒息してしまうと思います。
それと、感染者がその後どうなったのか、
重症化した人がいるのかなど、
そういった情報を国は発信すべきと、
某専門家のおばさんが言ってましたが、
感染が確認した人の経過は、
厚労省のHPで逐一更新されています。
すると、ネットをしない人もいるし
テレビを観ない人などもいるので、
電車の中吊りや電光掲示板云々と…
そういうどちらも観ない人、
観られないという人そりゃいるにはいるでしょうが、
多くの人が、どちらか一方は利用してると思います。
そういうおばさんの意見を垂れ流すより、
だったらテレビで、そういう経過等を報道しろよ、と。
という事で、令和2年2月10日版の中から、
国内での感染事例のその後については、
現在(2月10日9時時点)以下の状況となっています。
(注):14例目は中華人民共和国に帰国しているため、
現在の状況は不明。
・2月9日18時時点までに疑似症サーベイランス
および積極的疫学調査に基づき、計174件の検査を実施。
そのうち16例が陽性。158例が陰性。
(※)旧Noで記載。
上記患者のうち入院中7名、退院9名。
(*):No.4、No.6は当初、無症状病原体保有者。
その他、3例の無症状病原体保有者が確認されている。
(※)旧Noで記載。
なお、患者及び無症状病原体保有者は、全員が入院中である。
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時系列での確認というのも重要ですねぇ。
2月8日の AFPBB News の以下の記事が、
2月9日にかけてツイート拡散されてきました。
新型ウイルス、排泄物からま感染示す兆候
下痢の患者ら見逃し? 論文
ただ、糞口感染の可能性に関しては、
中国国家衛生健康委員による2月2日の記者会見で、
中国疾病予防管理センターの研究員が
患者の糞便からウイルスが検出された事を発表し、
2月3日の新華社通信などでも報道されています。
この件に関し、以下の様な内容のツイートがありました。
武漢の病院が下水を調べたら生きたウイルスが発見され、
川下地域で生活用水として利用してる所が多いので、
感染の広がりの予測がつかないと病院が発表した。
その後、下流の温州市が武漢同様封鎖となった。
という主旨の内容でした。
が、私が知る限り病院が下水を調べたとか、
そんな発表をしたという報道は確認してません。
加えて温州市(浙江省)は、武漢市からの道路距離で
800kmも離れたところにある都市です。
また、武漢市の下流域ではありません。
2月2日に温州市(浙江省)封鎖の報道がありましたが、
この時点で浙江省はでは感染者661人と
湖北省に次いで多く、20,237人が隔離された状態でした。
温州市は人口900万人の都市という事ですが、
その内18万人は湖北省武漢市で生活しており、
武漢市が封鎖された1月23日〜27日までの5日間で、
48,800人が温州市に戻ったと温州市当局が発表しています。
武漢市が中国でも有数の工業都市なので、
温州市から出稼ぎに来てる人も多い。
そういう人の流れが感染拡大に関与しているのであって、
下水の流れが関係してるワケではありません。
この時点で患者の対応にてんてこ舞いしてる病院側に、
下水の調査なんてしてる余裕は無く、
するにしても保健省か衛生局か知りませんが、
衛生環境に関わる機関なり研究者なり、
そういう所が調査・発表する事でしょう。
それと“エアロゾル感染”の可能性が出た事で、
空気感染すると騒がれてますが、空気感染とは違います。
空気感染は、病原体が付着した飛沫核を鼻口腔や
目の粘膜から取り込んでしまう事で感染します。
飛沫感染は、病原体が付着した飛沫核が水分で覆われた状態の
飛沫を鼻口腔や目の粘膜から取り込んでしまう事で感染します。
また、飛沫が直接或いは物体を介し間接的に付着した手指で、
鼻口腔や目に触れるなどしても感染もしますが、
この場合は、接触感染という事になります。
咳やクシャミなどにより感染者の口から飛散する飛沫には、
大小色々な大きさがありますが、
比較的小さな飛沫が煙霧状、ミスト状になっている
状態の事をエアロゾルと言います。
なのでエアロゾル=微粒子ではありません。
空気中に飛沫がどの様な状態で飛散するか、
その“状態”を現している言葉です。
比較的大きな飛沫は1m程で落下しますが、
噴霧状に吐き出された小さな飛沫などは軽く、
浮遊時間もその分長くなるため
2〜3m程の距離まで飛ぶそうです。
ウイルスは細胞内でしか増殖しませんので、
飛沫状態で増える事はありませんが、
エアロゾルの状態は飛沫の密集状態である事や、
飛散する距離が長く着床する範囲も広くなり、
飛沫核に付着するウイルスの数も多い可能性があります。
結果、浮遊してる飛沫を吸引・付着したり、
或いは飛沫が付着した物体に触れる量も多くなる。
つまり“接触機会(回数・量)”が増えるという意味で、
感染リスクが幾分高くなるという事です。
今回の新型コロナウイルス2019-nCoVは、
タンパク質の膜に保護されたエンベロープウイルスで、
元々ウイルス自体が強くできている
ノンエンベロープウイルスであるノロウイルス等と異なり、
飛沫の水分が蒸発し飛沫核の状態になった場合、
インフルエンザウイルスと同様、
2〜3時間から8時間程度で感染力を失う
(不活化する)と考えられています。
ウイルスそのものが某か変化して感染力が増すだとか、
そういう事ではありません。
ですので、個人が出来る予防対策としては、
これまで同様、手指消毒(手洗い)・マスク・うがいが、
リスク低減に有効である事には変わりはありません。
尚、マスクについても前々の記事で書いた通り、
一般の人までがN95マスクを入手する必要はありません。
市販マスクでも相留守対策用に販売されている
サージカルマスク(BFE95%以上のマスク)と同等の
ウイルス対策用のマスクであれば、
感染リスクをある程度低減する事はできます。
※N95は米国規格であり、
欧州(EN)規格FFP2、日本検定規格DS2と同等。
そもそもN95マスクと言えど、
0.3μmの飛沫核の捕集効率が95%という意味であって、
決して100%では無いので。
どんなサイズの飛沫核、ウイルスも100%捕集出来る…
そんなマスクがもし仮にあったとして、
ウイルスの予防以前に酸欠・窒息してしまうと思います。
それと、感染者がその後どうなったのか、
重症化した人がいるのかなど、
そういった情報を国は発信すべきと、
某専門家のおばさんが言ってましたが、
感染が確認した人の経過は、
厚労省のHPで逐一更新されています。
すると、ネットをしない人もいるし
テレビを観ない人などもいるので、
電車の中吊りや電光掲示板云々と…
そういうどちらも観ない人、
観られないという人そりゃいるにはいるでしょうが、
多くの人が、どちらか一方は利用してると思います。
そういうおばさんの意見を垂れ流すより、
だったらテレビで、そういう経過等を報道しろよ、と。
という事で、令和2年2月10日版の中から、
国内での感染事例のその後については、
現在(2月10日9時時点)以下の状況となっています。
(注):14例目は中華人民共和国に帰国しているため、
現在の状況は不明。
・2月9日18時時点までに疑似症サーベイランス
および積極的疫学調査に基づき、計174件の検査を実施。
そのうち16例が陽性。158例が陰性。
(※)旧Noで記載。
上記患者のうち入院中7名、退院9名。
(*):No.4、No.6は当初、無症状病原体保有者。
その他、3例の無症状病原体保有者が確認されている。
(※)旧Noで記載。
なお、患者及び無症状病原体保有者は、全員が入院中である。
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ジャンル : 心と身体